下川町「林業を中心とした持続可能性」を視察
前編に引き続き、下川町のSDGs未来都市のまちづくりについてまとめます。
2001年から計画してきた持続可能な下川町のまちづくり計画を、SDGsの視点でどのように総合計画としてまとめられたかのレクチャーを受けた後は、車に乗って町内を視察しました。
間伐材から木質チップ製造
ドイツ製のチップ製造機
森の国、ドイツから輸入してきた巨大な移動式チップ製造機がこちら。
ドラムに並んだ歯で丸太を数本まとめて細かいチップにすることができます。
チップにするための木材は、下川町の間伐材を半年から1年程度乾燥させて含水率を50%程度に減少させたものを使います。
石油販売会社に指定管理
町主導で脱石油化を図る中で、町内に5社ある石油販売会社への影響を考え、5社で組織を立ち上げ、チップ製造の指定管理先として業務を委託しているとのこと。
音威子府町からの木材受け入れ
近くにある音威子府町にも1台木質ボイラーがあるものの大規模はプラントを設備するには非常にコストがかかるため、下川町でチップ化の業務を請け負っているとのこと。町と町との間でも、確実にシェアリングコミュニティーが活きている!
一の橋バイオビレッジ
下川市街地から車で20分ほど(15kmくらい)一の橋地区のバイオビレッジを見せていただきました。
ここは元々限界集落だったところですが、集住化とセントラルヒーティングを導入し、若い世代の移住者が増えているとのこと。
木質チップを熱に変える
チップ工場で加工された木質チップは、ここに運ばれてボイラーの熱源となります。今は夏なので、給湯に使うのみですが、冬期にフル稼働をすると、2,3日ごとに補給をしないとカラになってしまうとのこと。
2018年の全道停電の際には
木質ガス化発電は、稼働準備中
一番の関心事、2018年の胆振地方東部地震で全道停電が起こった際に、どう乗り切ったかについて伺いましたが、一の橋地区では自家発電装置がなかったため、停電してしまい、お湯も出なくなったとのことでした。
木質チップをガス化して発電する装置は今年から別の地区で稼働したということですが、町内をすべて賄う規模ではないとのこと。
(そもそも災害目的で整備されているわけではないので、ブラックアウトした際にどう対応するかまでは聞きそびれました。)
米を集めておにぎり化
一の橋バイオビレッジでは、若い移住者が2合づつ米を集めて、おにぎりにして配って回ったということです。
結局のところ、災害対策はハード的に備えるよりも、人と人とのがつながった時に、強くなるのだと感じました。
町民のために、町の価値を高める
今回の視察を通じて、町民が、町民のために町の価値を高めるために力を合わせているとあちこちで感じました。
しもかわグリーン
それがひと目で分かるのが、しもかわグリーンです。
1000人を超える町民の投票によって、下川町の新緑の色を元にブランドカラーを作っています。
それが、この色。
余談ですが、私のWEBサイトで使用している黄緑とかなり近い色で、とても驚きました。
まとめ
SDGs、バイオビレッジ、ブランドカラーと、魅力的で先進的な取り組みを見せていただきましたが、これは町外にアピールするためでも補助金をGETするためでもなく、住民が住民のために考え、話し合って作ってきているのだと知りました。
議員として、自分が何ができるかと意気込んで視察に望みましたが、地域の皆様の声に耳を傾け、地域の対話を促すことを通じてまちの未来を作って行くのだという最も大切なことを、この町の未来に情熱を注ぐ職員のM様、丁寧に案内してくださった観光協会のM様より教えていただきました。
心から、御礼申し上げます。
2019夏のまど@北海道
子どもたちを連れて、家族の時間も大切にしながら
ノマドワークの旅、毎年恒例「夏のまど」に出発!
今年のテーマは防災と子育て
今年は、「震災遺構から学ぶ」、「自然とともに子育て」を
テーマに、車で北海道を移動しながら、各地を視察しています。
ちなみに、文京区議会議員の仕事の一環として過ごしていますが、
区議に支給されている政務活動費は、この期間中1円たりとも使用していません。
これまでの夏のまど
2015年から毎年8月は、家族とともに東京を離れて旅をしながら仕事をしています。
- 2015年、熊本県・鹿児島県
大野勝彦美術館、知覧特攻平和会館
- 2016年、四国一周
お遍路、うどん巡礼、よさこい
- 2017年、島根県津和野町・広島県
文京区との姉妹都市津和野町、原爆平和記念式典
- 2018年、宮城県気仙沼市・岩手県盛岡市・紫波町・遠野市
NPO法人ピースジャム、遠野のわらべうた、OGALプロジェクト
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