「私はソファーで寝るから気にしないで」と言っていたのだが、
朝起きると横でマリアンが寝ていたので驚いた。
幸い、日本で待っている恋人を裏切るようなコトにはなっていない。
テレビを見たりしてノンビリ過ごしていると、
フランクという30歳くらいの男がいきなり現れた。
近所に住む友人だと言うが、彼は英語が
全く話せないにもかかわらずやたらとしゃべりかけてくる。
通じない英語を一生懸命話すのもバカバカしいので、
彼には日本語で応対することにした。
日本語とフランス語が真っ向からぶつかる会話。
意外なことに相手がなにを言いたいのかがよく伝わってくる。
今日から彼らは旅行に行くというので、あわてて荷造りを済ませた。
そして、出る前に3人で昼食を食べた。
フランクが全て作り、マリアンは相変わらずDVDと一緒に歌っていた。
僕がSEALが好きなのは、マリアンの影響だ。
塩と卵、スパイスをたっぷりかけただけのパスタは単純なのに美味しい。
食べ終わるとすぐマリアンがなにか指示を出し、
フランクはゴチャゴチャ文句をいいながら消えた。
しばらくすると彼はアイスクリームを買って帰ってきて、
それに溶かしたチョコレートとクリームをかけた。
食べながらフランクがふざけはじめ、3人とも大いに笑った。
日本から持ってきた扇子とプリクラをあげると、
マリアンはやたらと喜んだ。
それだけではなく、19歳で亡くなったという
弟の写真の横に張ってくれと言われて恐縮してしまった。
その後アパートの下で彼女らと別れた。
ちょっと感傷的になった。
そんな気分ではあったが、失礼ながらすぐに荷物を確かめた。
パスポート、現金、、、何一つ変わっていなかったので安心した。
近くにあるはずのYHに泊まりたいのだが、なかなか見つからない。
最近では、道が分からなくなることを「迷う」と思わなくなってきた。
やっと見つけたYHにチェックインしてから
街に出るが、付近の道がよくわからない。
日没が近かったので、近くにあったスーパーで
クリークビール(チェリー味の甘いビール)とサラミとチーズを、
そのまた近くにあった店でケバブを買って宿に帰った。
一人で窓の外を見ながら酒を飲んでいると、1カ月間ヨーロッパ内を
あちこち旅をしているという日本人、ケンが話しかけてきた。
彼とさまざまな情報を交換しあった。
なかでも、ドイツやイタリアの列車はたいてい自転車ごと
乗れるようになっているということを教えてもらって安心した。
走行距離
8.84Km
合計走行距離
512.56Km
平均時速
9.8Km/h
最高時速
24.2Km/h