8時起床。
早めに行動したいので早めに飯をすませ、
出発の準備を整えるが、気づくと雨。
・・・再び気分が重く沈む。
昨日に引き続き、「LF2a」を探す。
道はすぐに見つかった。
どんよりとした曇り空の下、標識だけを頼りに
ベルギーのアントワープを目指すのは簡単ではない。
途中、標識が船着き場まできて途切れていて驚いた。
標識は、川の対岸を一直線に指している。
(船に乗れということか・・・・?)
周りにいたお年寄り3人に訊きまくったが、皆言うことが違う。
よく分からないので詳しく教えてくれ!
と少々イラつきながら尋ねると、
「今、出航したのが対岸への船よ」と教えてくれた。
もっと早く言ってほしかった。
次の船は1時間後だという。
がっかりした。
困っていると、また別の人が話しかけてきて、
「次の船なら近道よ」と教えてくれた。
乗ってから気づいたのだが、教えてくれた人たちはきっと、
近道を教えようとしてくれたのだと思う。
自分の語力がないばかりに、少々失礼なことをしてしまった。
昼過ぎてもまだ、ロッテルダムから30kmしか
走っていないことに気づき、焦った。
そうしているうちに、再び雨が降ってきた。
突然の雨に農家の軒先で雨宿りをしていると、
優しいおばあさんが出てきて暖かいスープを飲ませてくれる。
ちょっと大きいジャガイモをほお張ると、
口いっぱいに新鮮なミルクの香りが広がる・・・・
そんなベタな図式を想像しては独りでワクワクしていたわけだが、
残念ながら土砂降りの雨が降り出したとき目の前にあったのは、
高速道路の高架下だった。
雨宿りをしていると、僕に向かって
虫がワンサカ集まってきて不気味だった。
少々大きな街まで来たとき、既に17時を過ぎており、
アントワープまで60kmという表示を見て愕然とする。
平均時速20kmで止まらずにこぎ続ければ
20時までにたどり着くだろうか…そんなことは無茶だ。
駅の公衆電話から、隣町のYHを予約する。
もちろん英語だ。
隣町のYHまでは往復で電車7ユーロとバス4ユーロ、
YHは一泊26ユーロ。
アントワープまで電車で行ってしまうと、
28ユーロ+自転車が6ユーロ、宿は14ユーロだという。
どっちが得で効率が良いのか・・・これには非常に迷った。
この町に自転車を置いて37ユーロか、
42ユーロで自転車ごとアントワープまで行って
翌日のんびり観光するか…考えているうちに、
この町で宿探しをするという当たり前な名案が浮かんだ。
すぐそこの角に一泊90ユーロもするホテルがあり、
そこのホテルの支配人が安いホテルを教えてくれた。
朝食付き、個室に泊まれて30ユーロならばそう悪くはない。
宿に荷物を降ろし、まだ19時前だったので町に出る。
ふつう日本人なら“アメリカっぽい!”と思ってしまうような
巨大なスーパーが近所にあった。
“代官山”などでべらぼうな高値で取り引きされていそうな
チーズやハムがふつうに売られており、あちこち見て回っても飽きない。
夕飯とビールを2本(一本あたり約80円!
種類も非常に豊富。)買って宿に戻った。
少しずつ、毎日違う宿を探す面倒な生活に慣れてきた。
それにしても、静かでいい夜だ。
“この町が気に入った”こう表現したら気取りすぎだろうか…
走行距離
73.06Km
合計走行距離
318.4Km
平均時速
18.8Km/h
最高時速
59.1Km/h