飛行機の中ではMr.ビーンを見ていた。
周りが皆寝ている中で一人、シートを震わせて大爆笑した。
そんな感じで半日後に成田空港到着。
ターンテーブルで荷物が
出てくるのを待っていると、係員の人に呼ばれた。
サラミの密輸がばれたか!!と、どきどきする。
ところが、それどころか荷物がないと言う。
30分くらい待たされた挙句、
「まだフランスですねー」
なんてのんきなことを言われてしまう。
冗談じゃない。
ただ、宅配便で送ってもらえることになったので、
逆に身軽になってよかった。
自転車で帰宅する分の交通費、2,000円ももらった。
ばあちゃんちによって“ごあいさつ”をした後、自宅に帰る。
「ただいま」
「おかえり」
で、いつものように旅が終わった。
1ヶ月ぶりの自宅は少し狭くなり、
自分の部屋はとても落ち着く場所に変わっていた。
変わったのは僕のほうだけれど。
旅が終わった今、まず自分の小さい頃からの夢、
叶わないと思っていた海外を自転車で旅をするという
夢が実現したことに感激している。
今回は、大学が旅費を支援してくれる、
「SPISチャレンジ制度」というもののおかげで
こうして旅をすることができた。
全体を通して思い返すと、
出発してから帰るまでは苦労の連続だった。
走った時間の半分は迷っていたし、
過ごした時間の90%は帰りたいと思うか寝ていた。
旅行と言うより、例えるなら修行に近かったと思う。
そういう視点で見ると、この旅を通して自分は大きく成長した。
でも、周りはどうか。
SPISチャレンジ制度の最終目的である「環境問題について考える」、
多くのことを見てきたつもりだが、それをどう語っていいかわからない。
このままでは終われない、終わってはいけない気がする。
荷物は、日付が変わるギリギリで届いた。
こんな夜中に持って来てくれた運送会社の人、ありがとう。