ブログ

勇退される文京区議会議員、最後のあいさつ 1/6人目 「藤原美佐子氏」(2019年3月14日)

2019年に文京区議会の引退に当たり、勇退議員としてあいさつされたのは、「島元雅夫議員、渡辺雅史議員、宮崎文雄議員、若井宣一議員、渡辺智子議員、藤原美佐子議員」の6名でした。

その皆様の感動的な挨拶、文京区議会の本会議の中で行われたものですから、もちろん会議録として公開されています。
皆さまと一緒に見てみましょう!

1/6人目 「藤原美佐子氏」(2019年3月14日)

◯藤原美佐子議員

無所属で、会派、市民の広場・文京で出発し、二期目は、会派はそのまま、生活者ネットワーク所属となりました藤原です。
皆さん、本当にお世話になり、ありがとうございました。

一人会派、みんなの・まちづくりを立ち上げて、大変、病気で休職した後にこういうことになりました。
生活者ネットワークというのもやりました。
たった八年間ですけれども、一杯いろいろな経験をいたしました。
その間、皆様には本当にいろいろと介助していただいたり、大変お世話になりまして、どうもありがとうございます。

考えてみますと、ただひたすら、この二年間は、こうしてほしい、ああしてほしいとお願いばかりして、ありがとうを連発してまいりました。
三年前、二〇一六年七月の暑い日に、数寄屋橋で街頭演説をしていて脳出血で倒れ、意識不明で聖路加国際病院に救急搬送されて、その節は、宮崎議員、山本議員に大変お世話になり、ありがとうございました。

緊急手術をしましたが、右半身不随となり、七か月の入院加療となり、二〇一七年四月に議員復帰しましたが、記憶障害、言語障害、精神障害となりまして、もし中途障害でなければ、確実に議員ではいられなかっただろうと思います。
そういう意味では、この機会に是非福祉関係のことをやりたいと思っておりました。

昨日まで考えていたこと、さっきまでやっていたことがぱっと消えて何も残らない、こういう頭の中は大変複雑で、パソコンだったら、悔しいけれども、また最初からやるということもできますが、頭は厄介で、思い出そうにも思い出せないという、本当にむなしい思いです。
浅田議員に、よく「そんなに頑張らないでいいよ」と温かく言われましたが、頑張らないと本当に生きていることも難しいという厄介さでした。

高次脳機能障害に関する意見書に、お医者様や学識の先生方が非常に熱心に御協力くださった意味が、今になってよく分かります。
障害がなければ分からない苦労を何とか訴えたい、社会に認知させたい、その一心でやってまいりました。
大きく取り上げてくれた新聞社にも感謝したいと思います。
高次脳機能障害の患者が増えるだろう今後、節度のある成果主義と理解のある待遇を心から望みます。

さて、ここからは、私の悲願である、豊かな、ほっとするまちづくりについてです。
私が議員になるずっと前からの話ですが、これが議員になる原点ですので、どうぞお許しください。
まず第一は、国家公務員共済組合目白運動場、今の目白台運動公園です。私の区政への原点です。
春になると、美しい桜並木に周囲が囲まれた野球場。今はもはや見られませんけれども、カントウタンポポやツクシなどの在来種が非常に群生していました。
そこをディベロッパーに売却する。
そして、ディベロッパーは桜やシイやカシを全部切って、マンションを建設するというのです。
びっくりして、当時の煙山区長に陳情に行き、やはり当時の共産党の小竹ひろ子都議の協力も得て、区立公園として保持したのです。
カントウタンポポやツクシはどうなったでしょうか。
もうないのではないかと思うのですが、指定管理者が、体育に非常に比重が重い方向に変わったこともあり、生物多様性地域戦略の掛け声がむなしく響くばかりです。

第二は、元町公園、旧元町小学校の都市計画変更案です。
外堀通り沿いにPFIで高層ビルを建て、校舎は壊し、公園は奥まった日陰に移設する。
そういう仰天すべき案で、私たちは、昭和五年一月二十五日生まれのこの公園を何とか守りたいと、いろいろなパフォーマンスを企画し、都市計画審議会では、戸沼先生が四回にわたり継続審議にしてくださった末、とうとう廃案になりました。

第三が自治基本条例ですが、これは文の京区民憲章として提案され、区民会議の公募委員たちが自治基本条例にしたいと逆提案したものです。
しかし、条例化したために、かえって牙を抜かれ、実は、私自身もいまだにこれでよかったのかと疑問に思っています。
幸い、後進の若い女性でこのことに関心を持っている方がいるので、その方に委ねたいと思います。

第四は、まだ進行中の春日・後楽園駅前地区市街地再開発事業です。
目下、区役所のすぐ間近で進行中ですが、当初から疑問があって、交通や風の問題、計画変更や事業者変更等々、問題が山積みです。
この事案があったから議員になったとも言えます。
道半ばで下りるのは残念ですが、これからもウォッチしていこうと思います。

その次、第五は、小石川二丁目の堀坂、六角坂のマンションの桜。
いろいろありました。十三年という長い月日を、周辺住民の方たちは、本当に理不尽で不当な建て替えに費やされて、さぞ疲れていらっしゃると思います。
建築雑誌では、ほとんど完成したマンションの建築確認を争うのは社会的影響が大きいというだけでエゴと決め付ける主張がありますが、これこそエゴだと思います。
着工する前に問題の本質を見極める必要があり、特に堀坂のような、複雑な地形で地盤面の設定や接道が難しい場合などは、事業者に任せず、当初から行政が介入することが、それこそがまちづくりです。
住民からの訴えがなくても、危ない開発には区民のために介入する、そういう親切な行政になってください。
よろしくお願いします。

最後に、琉球処分のことを一言。
私は、祖父母が明治十二年の一八七九年、琉球処分で文京区に移送されました。
この言葉は、爵位などを与えられ懐柔されないように、多分、琉球自身が特に肝に銘じるように付けた言葉ではないかと思うのですが、文京区から辺野古新基地建設反対の請願を出せたことは、とてもうれしい。
感慨無量です。本当に皆さん、よくやってくださったと思います。
どうもありがとうございました。
これで終わります。よろしく。(拍手)

本会議でのあいさつ

本会議の締めくくりに、区長・議長から、勇退議員の貢献を称える挨拶がありました。
長期間にわたり文京区政に貢献された前任期の勇退議員の皆さまに、私たかはまなおきからも、改めて敬意を表します!

成澤区長

先ほど御挨拶がございました、長い間区政に貢献され、今季をもって勇退される議員の方々には、区政に御尽力いただいた、その御労苦に敬意を表するとともに、今後も在任中と変わることなく区政への御指導とお力添えを賜りますことをお願い申し上げます。

名取議長

今期をもちまして御勇退をされる島元雅夫議員、渡辺雅史議員、宮崎文雄議員、若井宣一議員、渡辺智子議員、藤原美佐子議員におかれましては、長年にわたる区政発展並びに区議会の円滑な運営への御尽力に対し、改めて感謝いたしますとともに、これからも健康に御留意され、ますます御活躍されますよう、心からお祈り申し上げます。

2023年の文京区議会議員選挙はどうなる?

2023年の文京区議会議員選挙に当たり、勇退された議員は4名。
松下順子議員、萬立幹夫議員、田中和子議員、こうだ久美子議員でした。

2023年はどのような入れ替わりとなるのか、詳しくはこちらのブログをご参照ください。

【文京区議会議員選挙】 2023年文京区で予想される『挑戦者』は何人?候補者まとめ

スケジュール

PAGE TOP