2025年6月24日の本会議で、私は一つの異例な行動に出ました。
それは、「請願第20号および第19号一項の個別採決を求めて、議会規則に基づき異議申し立てを行った」ということです。
なぜそこまでしたのか?
今回の請願は、委員会のインターネット中継を求めるもの。つまり、議会の透明性を高めようとする大切な声です。私はその「紹介議員」でもありました。
流れとしては、事前に各会派を回って説明をしたうえで、まず全員協議会でこの2件の請願を個別採決にするよう議長に求めましたが、認められませんでした。そこで、やむなく本会議の場で正式に異議を申し立てたのです。
異議申し立てによって、議会規則第31条(議題の一括)と第80条(簡易評決)に対し、個別対応を求める正式なアクションです。決して日常的な行為ではなく、「自分の考えと違うから異議あり!」なんて働きかけは、私は認めません。
異例の行動には、理由がある
異議を申し立てるに足る事情が2つありました。
① 賛否が拮抗しており、逆転の可能性があること
議会運営委員会での審査では、この請願に対する賛否が僅差でした。文京区議会の会派構成をふまえれば、本会議での採決結果が逆になる可能性も否定できない。そうであれば、安易に「一括採決」するのではなく、一つひとつ議員の意思を確認すべきだと判断しました。
② 区民に対して、より丁寧な説明責任があること
実はこのテーマは、令和5年6月定例会でも類似の請願が出され、当時は採択されていたのです。にもかかわらず、今回は不採択。この矛盾を区民の皆さんが目にしたとき、「なぜ?」という疑問に各議員がしっかりと答える責任があります。
加えて、文京区議会の議会運営委員会は「交渉会派」(3人以上)しか発言の機会がなく、1人・2人の会派は議論に参加できない構造になっています。これでは、区民の多様な声が正当に反映されているとは言えません。
異議申し立てで得た「爪痕」
結果として、今回の異議申し立てによって採決の方法自体が変わることはありませんでした。それでも私は、ひとつ重要な「爪痕」を残すことができたと感じています。
それは、「議会のあり方そのものが問われている」という事実を、区民にも議会内にも強く印象づけられたこと。そして、私自身の立場を「事前の根回し」と「明確な判断基準」によって、丁寧に示せたことです。
判断基準はブレない2本柱
客観的に、本会議で賛否が覆る可能性があるかどうか
特殊な事情があり、区民への説明責任が問われる内容か
この2つに照らして、私は今回の異議申し立てを「すべきだ」と判断しました。議員の行動には、常に理由と覚悟が求められます。
これからの議会に向けて
「たかが採決の手続き」と思われるかもしれませんが、手続きの一つひとつが民主主義の土台です。会派の大小にかかわらず、意見を届けられる議会であるべきだと私は信じています。
また、どこからともなく聞こえてきた・・・「多数決で勝てないとわかっているのにやる意味はない」という声には、明確に反対であると言いたい。
今回の一件を通して、「少数会派でも諦めない」「区民に向き合う姿勢を示す」というメッセージを、少しでも届けられていれば嬉しいです。
おわりに
今回の件、事前に意見交換をしてくださった各会派の皆様、お叱りの声も含めて大変ありがたく受け止めています。
全員協議会の私の発言を皮切りに、というか皆さん思うところがありながらも私に一番に発言させてくださった仲間がいました。本会議での異議申し立てに対して、賛同してくれた仲間がいました。
会派が違う、価値観が違うながらもその考えを尊重しあえる仲間の議員がいることに対して心から感謝しています。
発言内容
参考までに、私が発言した内容です。