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6日目、死体を流す場所、洗濯する場所

結局、固い寝台と夜泣きする赤ん坊と揺れと時々来る車内販売のせいでほとんど眠れず。
夜明け前のほんの一瞬だけ、車窓から見える全てが赤紫に見えた。ちょっとラッキー。
ラッキーは一瞬で終わり、それからいつまでたってもバナラシに着かない。よくインドの電車は平気で遅れるというが、3時間遅れてバナラシ駅に到着した。
初日にバナラシからデリーまでのチケットを確保していたのだが、昨日の列車が実質予約されていなかったこともあり、新たにガヤーからデリーまでのチケットを確保した。悔し紛れに、一つ上のクラスを確保した。
ガンガー(ガンジス川)近くの安宿街で、リッキーという同い年の青年が話しかけてきた。訝りながらも着いていくと、宿を案内してくれ、そのあとアリババパンツ(アラジンぽいやつ)を買うために店に連れていかれた。また商売か、と思ったが意外と安くしてくれて、ついついシャツもスカーフも、紅茶も200g買ってしまい現金が尽きた。
そんなことをしていたら夜になり、火葬場へ連れていってもらった。ガンガーで体を清められた遺体は、サンダルウッドを混ぜた薪で焼かれるのだという。至るところに火が灯されており、その一つ一つに人生があったのだと思うと感慨深い。高いカーストの人は見晴らしのよい静かな場所で、低いものは川沿いで焼かれ、どちらにせよ遺骨はガンガーの流れとなる。
そう離れていない場所で、死を待つお婆さんに祈ってもらった。彼女は、自分の遺体を焼くサンダルウッドを買うために祈っているという。当然寄付を求められたが、騙されてはかなわないと思い、さんざん渋って60Rsを払った。火葬場で案内してくれたオッサンには、100Rsを手渡した。
払ってからよく考えたのだが、なぜ必要としている者に100Rsを渡さなかったのか?死にそうな老婆があんなに一生懸命祈ってくれたのに信用せず、火葬場のガイドに高額なチップを渡してしまったことを、強く後悔した。引き返したが、老婆はいなかった。彼女はインドの掟にしたがってガンガーに身投げした…なんて、ないよね。後で聞いた話によると、こうして外国人から多くの金をせしめるそうだ。
食後にビールを飲みに行った。バラナシはヒンドゥーの聖地なため酒を売ることはできないという。怪しげな倉庫に囲まれた場所で、いかにも悪そうなやつらがコソコソと飲んでいたのが可笑しかった。
・朝食
カレーの揚げ餃子みたいなのRs20
・昼食
チャイRs5
・夕食
カリフラワーカレーRs70
ビールRs100
・宿泊
バイブーゲストハウスRs100
・支出
列車予約Rs1145
リクシャRs50
パンツRs150
紅茶Rs150
スカーフRs60
クルター(シャツ)Rs125
お婆さんRs60
火葬場ガイドRs100
参考:Rs1(1ルピー)=およそ\1.8です。
つまり、Rs100を支払った場合、日本円で\200弱の
価値があるということです。
しかしながら、日本とは物価水準が大きく違うため、
感覚的にはRs100=\1000くらいと考えていただければ
現地人の価値に近づくと思います。
この旅日記は、高浜直樹が2008年の11月~
およそ1ヶ月間かけてインドを旅した記録です。
そのため、リアルタイムで旅をしている
わけではないことをご了承ください。

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